清浄華院

860年 慈覚大師円仁創建
1590年 現在の地へ

 

浄土宗本山
  (もとは天台宗)

 

本尊 法然上人

 

 浄土宗七大本山のひとつ。法然上人二十五霊場のひとつ。
 清和天皇勅願寺。禁裏内道場として創建され、天台・真言・仏心・戒律の四宗兼学道場として栄える。
 その後、後白河天皇が法然上人源空を住持とし、このときから浄土宗に転宗する。
 禁裏内道場であった縁から、墓地には皇室縁のお墓が多数ある。
 また、この寺の不動堂の不動明王は、身代わり不動ともいわれ、「泣不動縁起絵巻」として縁起が語られている。
 昔、三井寺の智興内供が重病に苦しんでいたとき、陰陽師の安倍晴明に占ってもらう。晴明は、寿命ではあるが、もし身代わりとなる者があれば祈祷で内供の命を助けられようという。
 そこで、弟子の証空が身代わりとなると申し出る。晴明の祈祷により智興内供は助かり、身代わりとなって病をえた証空は年来信仰している不動明王に祈った。すると、不動明王が証空の身代わりとなり証空も快復した。
 この「泣不動縁起絵巻」、安倍晴明好きなら一度は目にした事のある、晴明が二匹の式神を従えて祈祷する場面が描かれていたりするのだ。う~ん、このお寺の寺宝だったとは…。晴明神社では、この場面が西陣織で織られた大きな絵馬が飾られている。
 一度、『安倍晴明と陰陽道展』で目にしたことがあるのだか、所蔵場所までは記憶になかった。何気なく立ち寄ったお寺だったので、ちょっと驚いた。
 本堂もなかなか立派である。
 …その後、『非公開文化財特別拝観』にて本堂内及び「泣不動縁起絵巻」を拝することができるという機会に巡り合った。そう、通常は公開されていないのだ。
 本堂は広く、印象的だったのが、松の木の仏花。ドライフラワー状になっている松(しかも松ぼっくり付き)が供えられているのは、初めて目にする光景。その大きさにもびっくりだ。
 「泣不動縁起絵巻」は、やはり良い。晴明祈祷場面の疫病神がユーモラス。で、この不動明王の交通安全ステッカーを拝観時にいただけて、かなり嬉しかった(笑)。