安楽寿院

1137年 鳥羽上皇建立
 

真言宗智山派
 

本尊 阿弥陀如来

 

 もとは院生を敷いた白河上皇の屋敷・鳥羽離宮の中に鳥羽上皇が建立した御堂が起こり。広大な鳥羽離宮の一角、東殿と呼ばれるところに建立されていた。
 いまでこそこぢんまりとした境内だが、最盛期にはさまざまな国(現在の都道府県に当たる)に広大な寺領を所有していた。
 幕末期には鳥羽・伏見の戦いの本営地となる。現在では、住宅街の中にぽつんと建っている。
 すぐ側には、鳥羽天皇稜と近衛天皇陵があり、近衛天皇陵は、御塔となっており、天皇陵の中でこの形式は非常に珍しい。たしかに、他の天皇陵を思い返しても、建造物が稜の中に建っているというのは、勉強不足ゆえかもしれないが、見たことがない。塔の姿も堂々としていて美しい。
 今回、「京の冬の旅」の特別公開にて拝観した。収蔵庫に安置されている阿弥陀如来さまが非常にお美しかった。胸元に卍が刻まれていて、「卍の阿弥陀」と呼ばれている。他にも、両界曼荼羅や鳥羽上皇像の掛軸やらも収蔵されていた。
 その前のお庭には、鳥羽離宮庭園の石組みを復元したお庭がある。復元に当たって、石につけられた整理番号の青いペンキがちょっと微妙だったが…。
 残念ながら、鳥羽天皇稜は、周囲の塀の修復工事中だった。