西芳寺(苔寺)

奈良時代 行基開山
 

臨済宗天龍寺派
   (もとは法相宗、後に浄土宗)
 

本尊 阿弥陀如来

 

 もとは、聖徳太子の別荘として建立されたのがはじまり。その後、聖武天皇の発願により行基が開山。
 建久年間(1190~99)には法然上人によって浄土宗に改宗される。さらに鎌倉時代末、夢窓疎石が臨済宗とした。
 現在では、「西芳寺」よりは、「苔寺」のほうが通りが良いかもしれない。その名の通り、お庭の苔で有名だが、この姿になったのは意外と新しいのだそうだ。以前は夢窓疎石作、天下一の名園と謳われた枯山水のお庭だったが、戦火やら洪水やらでその姿は失われてしまった。そのかわりに、近世頃から苔がお庭を覆うようになったのだとか。
 お庭は二段組になっており、下段は苔の庭、上段は枯山水のお庭となっている。
 憧れに憧れ続けた苔寺…。事前に往復はがきでの申し込みが必要とあって、なかなか参拝する機会がなかった。しかし、いつまでたっても行けないのは嫌だったので、一念発起して申し込み。
 開門は午後1時。どきどきしながら門が開かれるのを待つ。門の前にはしっかりと鉄柵がされており、シャットアウト感満載(^_^;)。結構参拝者がいる。しかもツアー客がいた…(^_^;)。
 開門されると、往復はがきの片割れでチェックしてゆき中に入れていただく。とうとう憧れの苔寺内部へ!
 まず最初に本堂へ行き、お写経をさせていただく。本堂には、堂本印象画伯の襖絵がある。途中で般若心経の読経をお坊様と一緒にし、お写経を終えてから各々お庭散策へ。なかなかじっくり写経をする機会はないので、気持ちが改まる。
 本堂を出て、お庭へ入る前に小さな門があって、そこをくぐるのにかなりどきどき。一歩足を踏み入れたとたん、そこは別世界が広がる。ふぉぉぉ~!皆で感嘆の声を発する。そこは、緑の光あふれる素晴らしい世界。すごい、の一言。
 どこを眺めても感動の連続。写真を撮る手も休まらぬ(笑)。かなりカメラ小僧度発揮。
 ちょうど、私が訪れる数日前から雨が降っており、この日もぱらぱらと小雨が降る、そして晴れ間も見えるという、かなり苔にとっては(参拝者にとってもか)素敵なお天気で。雨に濡れた苔が、しっとりしていて…。目論見どおりのお天気!いや、本当に良かったです。
 苔の緑も素晴らしいけれど、新緑の木々もすっごく美しくて。本当に、別世界に迷い込んだかのような雰囲気を味わえる。
 ゆっくりお写経していたため、他の参拝者はあまりおらず、かなりじっくりお庭散策。一周したあと、再び少しだけお庭散策。そして、写真(笑)。
 …行ったことない方、是非行ってください!絶対梅雨時が良いです!苔の種類はおよそ130種類!苔好きにはたまらんですよ。お写経もでき、お庭も散策でき、これで3,000円の参拝料は、はっきりいって安いです!!
 ちなみに…これで、わたくし、京都の世界遺産めぐりはコンプリート(笑)いたしました。
 きっと、紅葉の季節も美しいのだろうな…。