北野天満宮

947年 多冶比文子(たじひのあやこ)創祀
959年 藤原師輔(ふじわらのもろすけ)造営
 
祭神 菅原道真
 
 学問の神さま、菅原道真こと「天神さん」を祀った神社。現在では、天神さんは全国に1万社を超える。私も受験のときは、地元の天満宮にお世話になった。
 菅原道真は、平安時代の文人兼政治家で、右大臣にまで昇る。しかし、藤原時平の讒言により大宰府に流され、903年、失意のうちに没する。その後、都ではさまざまな天変地異が起こり、これらは道真の怨霊によるものといわれた。その怨霊を鎮めるために天満宮は建立される。
      東風吹かば 匂ひをこせよ 梅の花
          あるじなしとて 春をわするな   
 …なんて切ない歌…。好きな歌のひとつだ。
 梅は道真公ゆかりの花。境内には梅林があり、提灯や灯篭等、いたるところに梅に関する意匠がちりばめられている。御神紋ももちろん梅鉢。
 また、菅公が丑年、丑の月、丑の日、丑の刻生まれということと、大宰府にて亡くなられた折、遺骸を運んでいた牛が座りこんで動かなくなったことが大宰府天満宮発祥の由来となったことから、境内には牛の像がたくさんある。牛は天神さんのお使いでもあるのだ。
 社殿は壮麗で、釣り灯篭がたくさんかかげられている。本殿の周囲は塀で囲われているが、その塀は朱色で周りの緑に映えて美しい。近くには、上七軒…京都最古の花街があり、べんがら色はそれを思い起こさせてどこか艶っぽさがある。
 道真公の月命日に当たる25日には毎月、「天神さん」と呼ばれる市が開かれている。また、宝物殿は毎月25日のみ拝観可(ほかに特別公開されているときもある)。こちらには、道真公の御影や、「北野天神縁起絵巻(複製)」が収められており、ぜひとも目にしたいものだ。
 …ということで、後年、念願の2月25日に開催される梅花祭へ行ってきた!北野天満宮へは何度も度々参拝しているのだが、「天神さん」には、なかなかタイミングが合わずにいけなかった。
 この日は、天神さんの中でも一番華やかな日。なぜなら、上七軒の舞妓ちゃんや芸妓さん、お茶屋の方々が境内にて野点をするのだ。もちろん、一般客も参加可能!ず~っと行きたかったのだ!
 お茶券の配布は、限定とのことだったので、当日購入できるのか不安だったが、当日でも大丈夫だった。
 お席は着座と立礼(椅子席)とがあり、一人であれば着座にいきたかったところだが、友人連れだったのと、90分待ちとのこともあり、立礼で。チケットと引き換えにお菓子をいただいて、野点が行われているテントの下へ。綺麗どころがたくさんいらして、眼福~(*^_^*)。華やかである。ちゃんと舞妓ちゃんか芸妓さんがお茶のお運びさんをしてくださるので、目の前で拝見できるのだ。舞妓ちゃん、芸妓さん好きにはとても良いお祭りだ(笑)。ただ、本気カメラのおじ様方も非常に多い(^_^;)。良い写真を撮りたいのはわかるけど、お茶をいただかせて~(-_-;)という感じで、ちょっとカオスだった。私もなるべく迷惑にならないようにお写真を撮らせていただいて、さくっと出たつもりだけれど、気をつけなくちゃ…。
 そして、参道を埋め尽くしている露天にも興奮(笑)。とっても賑やか~。お行儀悪いけど、いろいろ買い食いをしながら歩くのも、とっても楽しい。天神さんは是非、味わうべき風物詩であろう。