青蓮院

1144年 行玄(ぎょうげん)創建
 

天台宗
 

本尊 熾盛光(しじょうこう)如来

 

 天台宗三門跡のひとつ。「粟田御所」とも呼ばれる。
 もとは比叡山に開かれていた僧侶の住坊の一つ、青蓮坊がはじまり。
 まず、目に飛び込んでくるのが楠の大木。しかも、一本だけじゃない。境内には天然記念物に指定されている大楠が5本もある。見事だ。
 入り口を入り、まずは殿舎内を拝観。華頂殿の長押には三十六歌仙扁額(新しそうだった)がずらりと掲げられている。そして何より、襖絵がとっても素敵!私の大好きな画家・キーヤンさんの手によるもの。そして、ここから拝見するお庭も素敵だ。ここでお抹茶もいただける。
 少し歩いて、小御所へ。ちょうど私が訪れた時、京都の伝統工芸を小御所と宸殿で展示していた。なんて贅沢な展示場…。着物や種々の工芸品が並べられており、見応えがあった。
 続いて、三不動のひとつ、「青不動」の祀られている本堂(熾盛光堂)へ。「青不動」はレプリカしか拝することはできないが、やはり迫力がある。
 最後に門跡寺院特有の宸殿へ。こちらから眺める苔のお庭も、先ほどのお庭とは趣を変えていて美しい。もふもふの苔は、わたしの大好物(笑)!
 建物内をじっくり拝観した後は、今度はお庭散策ができる。お庭に続く可愛らしいくぐり戸(?)をくぐると、一気に別世界が広がる。なんとも素敵な趣向だなと思った。
 しかも、三種類の違ったお庭が楽しめるのも魅力。
 さすが門跡寺院。風格がある。
 そして、期間限定ではあるが、ライトアップが行われることがある。私が訪れた時は、蝋燭の灯と青いライトでほのかに照らされ、刻々と表情を変えるお庭にしばし見とれた。また、光に浮かんだお庭を回遊することもでき、これもまた一興。…写真ではこの美しさは伝えきれないので、是非足を運んでみてください。
 平成21年、なんと国宝青不動のご開帳があり、またまた参拝いたしました。
 普段はお目にかかることの出来ない御仏。今回は、かなりお側に寄ることができ、かなり感動。どっしりとたたずむお不動様の背後には、躍動的な迦楼羅炎(かるらえん)。迦楼羅は火の鳥で、良く観ると炎が鳥の形になっているのだ。なかなかこのような機会はないので、参拝できてよかった。