清凉寺

986年 奝捻(ちょうねん)上人開山
 
浄土宗
 

本尊 釈迦如来

 

 『源氏物語』の主人公・光源氏のモデルともいわれている源融の山荘、棲霞観の跡地。源融の没後、棲霞寺となったのが清涼寺の前身。
 嵯峨釈迦堂とも呼ばれている。
 本堂はとても大きく立派。
 本尊・釈迦如来立像は、日本三如来のひとつ。釈迦37歳のときの生き姿を刻んだ三国伝来(インドから中国に伝えられ、それを奝捻上人が摸刻し日本に持ち帰った)の仏様。オリエンタルな雰囲気のお顔が神秘的。
 この如来像の体内には、絹でできた五臓六腑やお金や仏画などが納められていた。まさに最古の人体模型ともいえる。千年以上も前に体内の構造を知っていたなんて驚きだ。
 そして、霊宝館は季節限定で公開される。特に、棲霞寺の本尊であった阿弥陀三尊像が素晴らしい。この御仏のお顔は、源融に似せて作られたと伝えられている。
 また、ここにもありました。私の心を捉えた仏像。文殊菩薩と普賢菩薩。この両菩薩の騎乗している獅子と象。か、かわいい…。特に象さん、愛らしい(失礼)。いいお顔。
 こちらには釈迦如来立像の中に納められていた品々が展示されている(現在、本物の五臓六腑は仏様の中に戻されているのだそう)。たくさんのものが納入されていたのだね。…すごいなあ。
 ちょうど私が訪れたとき、京都三大念仏狂言(千本ゑん魔堂大念仏、壬生狂言)のひとつ、嵯峨念仏が狂言堂で行われていた。台詞のある狂言などと違って、鳴り物だけの無言劇だ。
 本堂の奥にある大方丈には、小堀遠州作と言われる方丈庭園があり美しい。