妙心寺

1337年 関山慧玄開山
 
臨済宗妙心寺派大本山
 

本尊 釈迦如来
 
 花山法皇が自らの離宮を寺に改めた勅願寺。
 広大な敷地内には、桂春院、大心院、退蔵院などの塔頭があり、各々お庭が美しい。そして、私の心をわし掴みにしたのは、瓦の獅子たち!様々な表情で塔頭の入り口にいて、私たちを出迎えてくれる(笑)。「獅子コレ(獅子コレクション←勝手に命名)」写真が増えます(笑)。
 そんな塔頭の中でも退蔵院は、1404年、波多野出雲守重通建立、無因禅師開山の塔頭。庭がとても美しく、お庭を眺めながらお抹茶をいただくこともでき、まったり。
 お庭には、水琴屈があり、美しく心地よい音色を奏でてくれる。
 また、禅問答を図示した、如拙作「瓢鮎図(ひょうねんず)」(レプリカ、本物は京都国立博物館所蔵)もあり、瓢箪を持ったおじさんの顔が可愛らしい(失礼)。そして、中でお庭を眺めながらお抹茶をいただける。そのお茶菓子がまた愛らしい。瓢鮎図の意匠で、瓢箪と鯰が描かれた私の大好きな柳苑のお菓子(*^^*)。ただ、現在は、違うお菓子になっているっぽい…。柳苑さんのお菓子自体最近見なくなったので、もしかして閉められたのかしら…。お土産としては、鯰のイラストの入ったトレーナーもありました。非常に心惹かれました。ちなみに、Tシャツもあるそうです(笑)。瓢箪と鯰モチーフがいろいろなところに使われていて、探すと楽しいかも(笑)。
 そして、始めて訪れた時から6年くらい経って、冬の特別拝観が行われていたので、再び参りました。
 このときは、通常非公開の麟祥院・玉鳳院・龍泉菴と以前は訪れなかった桂春院・大雄院と再び退蔵院を巡りました。通常公開の塔頭は、3箇所くらいなのですが、このときばかりはもう、なかなかこんな機会はないし全部まわっちゃおう!ということで、がんばりました(笑)。
 麟祥院は、春日局ゆかりのお寺。徳川家光によって春日局追悼のため建立される。御霊屋(おたまや)には局の木像が安置されている。また、襖絵も雌雄の龍が描かれたものなど、江戸初期時代の素晴らしいものが残っている。
 龍泉菴は、山内塔頭としては、最大級の規模を誇る。この中では、新旧の融合が図られており、襖絵は平成11年に由里本出(ゆりもといづる)氏によって描かれたもの。そして、第一の目的ともいえる長谷川等伯の「枯木猿猴図」(複製)を拝見することができた。お猿が非常に愛らしいのです。
 玉鳳院は、妙心寺の中でも特に重要な場所といえる。開山の関山慧玄が祀られている開山堂があり、山内で最も古い建物。慧玄は華美を好まず、袈裟の輪にも、他の高僧が鼈甲やら象牙やらの高価なものを使っていた中で、藤の蔓を使っていたという。それゆえお寺の紋は、藤の丸の中に天皇家の菊の紋なのだとか。また、入定の時は、行脚に出る旅姿で木にもたれかかり、立ったままだったという。その場が、現在の「風水泉」と呼ばれる井戸のところだそう。このお話を聞いた時、密かに感動した。
 この玉鳳院内には、武田信玄・勝頼、織田信長・信忠の石塔もあり、白砂のお庭も美しい。
 本当にみどころいっぱいのお寺。