広隆寺

603年 秦河勝(はたのかわかつ)建立
 
真言宗御室派
 
本尊 聖徳太子像
 
 京都最古の寺院のひとつで、秦氏の氏寺。聖徳太子建立七ヶ寺のひとつ。古くは蜂岡寺と言われていた。秦河勝が聖徳太子から仏像を賜り、その仏像を本尊として建立したのがはじまり。この本尊が、かの有名な弥勒菩薩の像である。
 通称「嵐電(らんでん)」と呼ばれる京福電車の太秦駅のすぐ目の前に位置する。そう、東映太秦画村もこのすぐ近くにある。
 霊宝館には国宝第一号に指定された、創建当時からの本尊、「宝冠弥勒」とも呼ばれる弥勒菩薩半跏像が安置されている。
 この仏像、ずっと拝見したく思っていた仏像のひとつで、このお姿を目にした時、何ともいえない感動が心に満ちた。…お美しすぎです…。
 やはり実物は凄い。小柄なお体からただよう気品は、言い表しがたいものがある。未見の方は、ぜひとも御覧あれ。
 この霊宝館には、他にも美しい仏像が。通称「泣き弥勒」とも呼ばれている弥勒菩薩半跏像や躍動感あふれる十二神将立像なども素敵。
 嬉しいことに、この霊宝館には椅子が設置されており、何時間でも見つめていられるようになっている。また、椅子だけではなく、畳敷きの拝見場所(こちらの方がより近くで拝見できます)まで設けてくださっているのがありがたい。ポストカードも、弥勒菩薩オンリーのいろいろな角度から撮影されているものがあったり、人気振りがうかがえる。もちろん購入済み(笑)。
 こちらの本尊、もとは弥勒菩薩だったが、薬師如来になり、現在では聖徳太子像に代わっている。
 境内には桧皮葺の美しい上宮王院太子殿があり、こちらの本尊は聖徳太子像で、歴代天皇が即位のときにお召しになった黄櫨染(こうろぜん・天皇しか許されない色)の御束帯を捧げられるそう。毎年11月22日にご開帳される。
 講堂も立派で、中には国宝の阿弥陀如来が安置されている。こちらの如来様は、転法輪印(説法印ともいう)を結んでいらっしゃる。
 10月10日には、京都三大奇祭のひとつ、「牛祭」が行われる。五穀豊穣などを祈願したのが始まりといわれている。
 牛に乗った摩多羅神と、四天王が境内周辺を巡り、祭文を読み上げるという不思議な祭。一度拝してみたいものだ。…と思ったら、平成15年に中止されていた(ToT)。なぜ~!?復活を祈ります。