得浄明院

1894年 誓圓尼(せいえんに)開山
 

無宗派
 おそらく以前は浄土宗
 

本尊 一光三尊阿弥陀如来

 

 信州善光寺大本願(「牛に引かれて善光寺」の善光寺の境内寺院)の京都別院として建立された尼寺。京都にあっては、比較的新しいお寺である。信州までお参りするのが困難だった当時、京都の地でもお参りできるようにしたいとう誓圓尼の発願によって建立された。
 普段は本堂内部非公開のお寺。知恩院さんの近くに位置する。非公開文化財特別公開があったので、お参りしてみた。
 尼寺らしく、境内はこぢんまりとしている。本堂は規模は違うが、善光寺大本願本堂の写しで、内部には戒壇めぐりがある。
 御本尊は、拝見するのが遠く、はっきりとはわからないのが残念。通常は秘仏だそうだ。この一光三尊阿弥陀如来は、ひとつの光背の中央に阿弥陀如来、向かって右手に観音菩薩、左手に勢至菩薩が立っておられる像で、善光寺式阿弥陀三尊像と言われている。
 本堂の奥には、善光寺を建立したといわれる本田善光公とその奥方、ご子息の三公像が祀られている。その父子の服装は、朝鮮風。なぜならば、この善光公は、インドの長者の、そして百済の王(どちらも悪心を持っていたが、阿弥陀如来の光明に触れて改心した)の生まれ変わりとされていた伝説から。
 今回の特別拝観では、「御絵伝」と呼ばれる善光寺縁起の掛け軸も拝観できた。このお軸、下から上へ鑑賞するものだそうで、絵巻風になっているものとしてこれが普通なのかは謎である。
 お庭には、立派な松が植わっており、芙蓉の花の時期も美しい。
 実はこのお寺、舞妓ちゃん体験のお店「花風(残念ながら閉店)」さんのすぐ近くに位置し、散策で立ち寄らせていただいたことがあったのだ。こぢんまりながら、撮影スポットが結構たくさんあるお寺である。